朝ドラ「べっぴんさん」のオライオンのモデルの記事です。とはいってもオライオンのモデルがレナウンであることはこちらでも紹介したとおりです。しかし、もう少し詳しく見てみるとちょっと気になることを見つけてしまいました。
オライオンといえば、現在元弟分の栄輔が創業したエースとはライバル関係にありますよね。実はこのオライオンとエースの2社の結末が何となく見えてきたのです。
朝ドラ べっぴんさんのオライオンのモデルについて意外な事実が!?
朝ドラ「べっぴんさん」のオライオンのモデルがレナウンであることはかなり有名ですよね。創業者は佐々木八十八さんでご存知すみれとゆりの父親の五十八のモデルです。
「べっぴんさん」では五十八は「坂東営業部」を立ち上げ、そこからオライオンへと進化したわけで。史実でも1902年(明治35年)創業時の「佐々木商会」から以下のように名前が変わっています。
佐々木商会(1902年)→株式会社佐々木営業部(1947年)→株式会社レナウン商事(1955年)→株式会社レナウン(1967年)
実はレナウンという名前のブランドを立ち上げたのはそれこそ創業から少したった1923年の佐々木商会の頃なのですが、社内に「レナウン」という言葉を使ったのは随分後なんですよね。
まあ、その後は「アーノルド・パーマー」「ダーバン」「アクアスキュータム」などの数々の目玉ブランドを立ち上げていることもありますし、とはいえ「レナウン」という名前には特に思い入れがあるだけに残したい、ということから社内にしたということでしょうかね。
※社名にレナウンという名前をつけた経緯については実はあまり明らかになっていません。
ところで、現在のレナウンは実は創業時のレナウンと少し違うことをご存知ですか?実は現在、レナウンは中国の繊維会社の山東如意グループ(山東省)の連結子会社なんですよね。
原因はやはり「業績不振」によるものです。これを聞いて思い出すのは栄輔のエースのモデルである株式会社ヴァンジャケットです。こちらもやはり業績不振から一度は倒産してしまいましたよね。
そこで思ったのは朝ドラ「べっぴんさん」でひょっとするとオライオンとエースは倒産してしまうのではないか、ということです。そこでもう少しオライオンとエースのそれぞれのモデルであるレナウンとヴァンジャケットの結末について確認してみました。
朝ドラ べっぴんさんのオライオンとエースのモデルの結末は?
朝ドラ「べっぴんさん」のオライオンのモデルのレナウンとエースのモデルのヴァンジャケットの結末について確認してみました。まずはそれぞれの会社がどのような結末を迎えたのか確認してみましょう。
※ただし、レナウンもヴァンジャケットもどちらかも会社自体は残っていますので念のため。
オライオンのモデル・レナウンの結末は?
まずは、べっぴんさんのオライオンのモデルであるレナウンが現在の山東如意グループの連結子会社となった経緯について確認してみましょう。レナウンの業績が悪化し始めたのは1990年代の頃でした。ちょうどこの頃は「バブル崩壊」直後でした。
レナウンの商品の売り方は大型百貨店での販売が中心でした。「べっぴんさん」でもキアリスの女性陣を尻目に男性陣たちが商品を大急百貨店で売ることにかなり力を入れていました。これは「百貨店で売れば間違いなく売れる」という暗黙の了解があったからなんですよね。
しかし、バブル崩壊に伴い、高級品を扱う百貨店ではあまりモノが売れなくなってしまいました。それよりもGAPやユニクロなどの自分で専門店を持って商品を売る、いわゆるSPA(speciality store retailer of private label apparel)という方法のほうが商品が売れ始めたのです。
その後もレナウンでは様々な経営のテコ入れを行ったわけですが、思うような成果が得られませんでした。その後、2010年に中国の繊維会社・山東如意科技集団有限公司と業務提携をし、2013年は山東如意から出資を受けることで山東如意グループの連結子会社となったわけです。
エースのモデル・ヴァンジャケットの結末は?
栄輔のモデルとなった石津謙介さんがヴァンジャケットを創業したのは1947年のことです。実はレナウンの前身である「佐々木商会」が社名を「佐々木営業部」に変更したタイミングと同じなんですよね。
ヴァンジャケットの超拡大路線が裏目に出てしまい、倒産に至ってしまったことはこちらでもお話しましたが、実際にヴァンジャケットが倒産したのは1978年のことでした。その後、社員OB一同の努力により1981年に新生ヴァンジャケットとして復活をしますが、実はここからは石津さんは経営に関わっていません。
この石津謙介さんの行動を見ると「べっぴんさん」でのその後の栄輔が想像できそうなんですよね。
[ad#ad-1]
朝ドラ べっぴんさんのオライオン、エース、潔、栄輔の結末について大胆予想!
まずは、オライオンの結末から予想したいと思います。おそらく現在のレナウンのような中国の繊維会社の子会社となる、という展開はかなり可能性が低いです。
これにはちゃんと理由があります。それは潔のモデルである尾上清さんは1975年の時点で既に現役を引退しているからです。オライオンのモデルのレナウンが業績が悪くなったのは1990年以降のことですから、「潔」の現役時代は全く問題なかったといえます。
さらには現役引退後も尾上さんの肩書は理事長でしたが、引退後はレナウンの経営には全く関わっていませんでした。どうやら役員会にも出席をしなかったそうですね。そして、潔のモデルである尾上潔さんが亡くなったのは1988年です。業績悪化の前なんですよね。
つまりこれに従えば、潔が存命中はオライオンは安泰、と言えるわけです。
そして、問題はエースのほうですね。こちらに関して言えばやはり「倒産」という可能性が大きいのではないでしょうか。実は石津謙介さんのヴァンジャケット倒産後の動きが非常に興味深い内容なんです。
実は石津さんはファッションデザイナーという肩書を持っています。当時の若者の中で一世を風靡した「アイビールック」も石津謙介さんがデザインした服だったわけですね。
注目したいのはヴァンジャケット再建後は石津謙介さんは経営に全く関わらなかった、という点です。具体的にはフリーのファッションデザイナーとして活動していたんですよね。
この石津謙介さんの行動を見ると、「エースが倒産し、栄輔が再びオライオンに戻ってくる」というシナリオが考えられるというわけです。「べっぴんさん」では栄輔がファッションデザイナーという印象はあまりありませんよね。
しかし、以前は潔の弟分として潔がオライオンの前身の「坂東営業部」の再建に多大な貢献をしていたのは間違いありません。しかも再登場後の栄輔にはどことなく余裕がないように見えます。この栄輔の無意識の「不安」が残念ながら現実となりそうな予感がするのは私だけでしょうか?
とはいえ、そんなにすぐにエースが倒産する、というのはさすがに考えにくいです。ひょっとするとオライオンとエースの結末が朝ドラ「べっぴんさん」の最終回付近の見どころの一つになりそうな予感がしますよね。
以上、朝ドラ「べっぴんさん」オライオンのモデルとオライオンとエースの結末予想についてでした。