朝ドラ「べっぴんさん」26週「エバーグリーン」前半部分の感想です。ついにべっぴんさんも最終週となりました。26週「エバーグリーン」の3月27日から29日の放送分は、すみれたちの老後と孫の藍のストーリーです。
月に一度お直しの仕事でキアリスに出勤するすみれ、のんびりとした隠居生活を送る紀夫、そんな2人の家で孫の藍は春休みを過ごしています。藍は塾に行かなかったり、カメラを分解してみたり、行方不明になったりと、すみれたちを心配させていました。
また、戦後すみれたちがベビードレスを作ってあげたエイミーの娘からの手紙など、懐かしい話もありましたね。
朝ドラ べっぴんさんの感想 25週前半①アメリカでも受け継がれるすみれの思い
すみれたちと終戦直後に出会ったエイミーの娘から手紙が届きました。手紙には、エイミーが亡くなったこと、自分も母になること、エイミーはよくすみれのことを話していたことが書かれていました。すみれの大切なウェディングドレスで作ったベビードレスを着たあの生まれたばかりの赤ちゃんが母親になるとはとても感慨深いです。
エイミーはすみれの最初のお客さんでしたので、私の中でもとても印象に残っています。すみれは西洋のおむつが分からなかったこと、明美に助けを求めるも最初は断られたこと、すみれは焼け残ったウェディングドレスに思いを込めてはさみを入れたこと、まだ紀夫は戻らずすみれは不安を抱えていたこと。
私もたくさんのことを思い出し懐かしくなりました。エイミーにとってもすみれとベビードレスは、あまり好きではなかったと思われる日本の生活で出会った大切な宝物だったのでしょう。赤ちゃんの幸せを願ったすみれの気持ちがドレスを通じてエイミーから子供へ、さらにその子供へと海を越えて受け継がれていくことの素晴らしさを感じるエピソードでした。
朝ドラ べっぴんさんの感想 25週前半②子育ての難しさと面白さ
小学生になった藍は春休みをすみれたちの家で過ごしています。藍は野原で昼寝をして塾に遅れたり、紀夫からプレゼントされたカメラを分解してみたり、かなりマイペースな子供のようです。
口数はあまり多くなく、急に思いきった行動を起こすなど幼かった頃のすみれのようですね。すみれの夢に現れた五十八も言っていましたが、すみれも掴みどころのない子供でした。しかし、はなの言う通り芯の強い子でもありました。藍の表情からもかつてのすみれの雰囲気を感じますよね。
とても印象に残ったのは五十八の言葉でした。
子育てちゅうのは思い通りにいかん。
きっと思いもよらぬことがたくさんある。
せやけどだからこそおもろいんやて
この言葉で、私は子供の頃のすみれとさくらを思い出しました。
家族には内緒で麻田の靴作りを見に行ったすみれ、ナイトクラブで踊っていたさくら、急に行方不明になってしまう藍と、親子3代そろって「思いもよらぬこと」を起こすのですね。
そんな時こそ必要なのははなの言っていた「辛抱強く藍の話を聞いてあげて、心の声を」ということなのですね。さくらの反抗期の時もそうでした。私はこのドラマを通して子育てで大切なことは物事を教えることだけでなく、子供をきちんと理解することなのだと感じました。
はなの言っていた「辛抱強く」なることは難しいと思いますが、それを乗り越えることで親子一緒に成長していけるのだなと、私は五十八とはなを見て感じました。
藍が行方不明になった際に、さくらが「藍には手を焼いているのよ、少々困ったところがある」と言っていましたがすみれの子供時代も似たような感じだった・・・、と思うのは私だけではないでしょうね。
朝ドラ べっぴんさんの感想 25週前半③老いていくこと
最終週となる26週では、すみれたち4人や紀夫、昭一、勝二、栄輔の老いていく姿がよく描かれている気がします。見た目だけでなく、動きや仕草がすっかりおばあちゃんとおじいちゃんですね。
紀夫は昔以上にさくらに甘えたがりですし、栄輔は体に不調が出ていますし(これは結局どうなったのでしょう)、勝二は居眠りばかり。
仕事に家庭にと輝いていた頃と比べると少々寂しい気もしますが、これが自然なことなのですよね。頑張って働いて、子育てして、若手を育てて世代交代し、のんびりとした老後の生活を送っている、すごく幸せな姿だなと私は感じました。
朝ドラ べっぴんさんの感想 25週前半のおまけ 紀夫が繋ぐ写真
紀夫は退職後にカメラの趣味を見つけましたが、実はこれも一つのポイントだったのですね。このドラマではすみれの家や五十八の机の上など、要所要所で家族写真が登場していました。その時々の家族や仲間の思いを紀夫は写真を通して未来に残したいのだと、今回私は初めて気づきました。
以上、朝ドラ「べっぴんさん」26週「エバーグリーン」前半部分の感想についてでした。